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ボブという名のストリート・キャット感想

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今日お薦めしたい一冊は、『ボブという名のストリート・キャット』(ジェームズ・ボ―エン著)です。  

ロンドンで、バスキング(路上演奏)をして生活していたホームレスのジェームズ。2007年春、麻薬中毒でもあった彼のもとへ、一匹の野良猫が現れます。自身の暮らしもままならないジェームズでしたが、怪我をした猫を放っておけず、治療を受けさせます。怪我が治るまでというつもりで猫の世話をしますが、猫はジェームズの元をその後も離れません。やがて、ボブと名付けられた猫は、彼のバスキングにもついてまわるようになり、徐々に人気者になっていきました。  

この本の見どころは、人生をやり直すために苦労していたジェームズが、猫のボブに出会って大きく変わっていく過程がよく描かれているところです。社会的には弱者とされる立場であっても、ジェームズのボブに対する愛情の深さに心打たれます。また、ジェームズにボブがよくなついていて、猫好きにはその健気な姿もたまりません。  

猫のボブがジェームズと暮らすようになったことで、ジェームズは本気で薬物中毒からの更生にも取り組むようになったのも興味深いことでした。麻薬を断つ姿には壮絶なものがありますが、猫のボブはそのようなジェームズにも変わらず寄り添っていたのも印象的な場面です。ジェームズの生い立ちや挫折、家族との関係性の変化などにも、読んでいて興味をひきました。人生の困難さやその挫折から、真摯に立ち直っていく姿や、動物との交流の深さに素晴らしさを感じます。  

路上演奏でのボブとジェームズの姿が注目されるようになり、彼らは一躍有名になっていくわけですが、最後まで目が離せない内容が面白かったです。ホームレス同士の縄張り争いなどもありましたし、何せ相手は動物ですから、ハラハラさせられる場面も出てきますね。  

この本は、英国でベストセラーになり、その後世界中で翻訳されて人気となり、ついに2016年に映画化されました。ノンフィクションであり、映画には、ボブ本人ならぬ本猫が驚くことに出演して話題となっています。日本公開に先だって、ジェームズとボブは映画のプロモーションで来日もしました。本の表紙の写真や、雑誌やメディアのあちこちで見かけるようになったボブは、一見して賢そうな猫だと感じますね。ジェームズがまた、そんなボブを尊重して対等に接している姿にも愛情を感じて嬉しくなるのは私だけではないかと思います。この『ボブという名のストリート・キャット』には、『ボブがくれた世界 ぼくらの小さな冒険』という続編も出ています。どちらも猫好きの方はいうまでもなく、またそうでない方にも、是非お薦めの本当に心温まる作品だと思います。

ボブという名のストリート・キャット

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