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凍感想

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今日私がご紹介したいのは、沢木幸太郎著の『凍』です。 この本は、フィクションでありながら、実際の話をもとに書かれているので、ノンフィクションとでもいえる話なのではないでしょうか。 私は全く山に関する知識を持たないのですが、偶然にも手に取ったこの本。夫婦で登山家をしている人が、ヒマラヤの山を登るという話です。 山を登るというと、単純ですが、ヒマラヤの山は魔物が住んでいる。刻一刻とその姿を変えるので、誰も予測が出来ないのです。 そんな状況の中で、様々な突発的なアクシデントを回避しながら、山を登って降りてくる。それがこの「凍」に書かれています。

この本を読んでいると、単純に山登りを書いたとはいえない臨場感があります。山を登る時の天気の流れ、吹雪、酸素が薄くなる感覚、そしてこの先どっちに進めばいいのかという判断力、そのような物がすべて伝わってくるので、読んでいる私たちのどんどん話しに引き込まれていきます。 また何度も途中でアクシデントに見舞われ、もう死んでしまったのでは?と思わされることも…。結局二人は生死の境をさまよいながら、最後には病院送りになり、凍傷で指を切断という結果になります。しかしそれだけでは終わらず、二人の未来は、その先へとずっと続いているのですね。

この話を読むと、一体この二人のゴールって何だろう?指を切断するほどのけがをしながらも登山を続けるのはどんな意味があるのだろう?と考えさせられます。 おそらく、登山は、二人の人生そのものなんでしょうね。だから死ぬまでゴールはないんだと思います。 この本に出会うまで、あまりハラハラ出来る本ってなかったような気がします。この「凍」に出会って初めて、早く読み進めたい!この先どうなるの!とずっとハラハラしながら読み進めることが出来ました。 山に知識がある人もない人も、物語としても興味深く読める本であると思います。また山に興味がある人は、ここまで限界にチャレンジできるのかと勇気をもらうことが出来るのではないでしょうか。

この私のお薦めしたい本は、単に登山を書いたものではありません。この夫婦二人の生き様、信頼関係、そして家族のあり方など全てを描かれたものであると思います。こんなにも読み応えのある本は、人生の中でもなかなか出会うことはないんじゃないかな?そして読み終わった後には、この物語の主人公の動向について知りたくなる…そんな不思議で勇気をもらえる一冊です。

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