ケニアの美しい景色からもらったもの

calendar

reload

今から約15年前、大学4年生の夏休み、私はケニアを1人で旅しました。 1人旅は初めてで、治安のいい国とは言えませんし、もちろん不安もあったので、1人でも催行してくれるツアー会社を探し、その海外ツアーに申し込みました。 ツアーで用意されているのは、航空券、ホテル、食事、あとは、現地ガイドさんです。ケニア駐在の日本人スタッフさんもいましたが、会ったのは最初の空港の出迎えと、最後のお別れのときだけで、現地ツアーにはついてきませんでした。料金は4泊6日で25万円の、格安ツアーでした。

ケニアに行くメインの目的は、動物を見ることです(通称サファリ)。ケニア最大の国立保護区マサイ・マラ、何万羽ものフラミンゴが生息していることで有名なナクル湖国立公園、をサファリしました。 このツアーが安い理由は、まずエア・インディアでインドのムンバイ経由で飛行機がケニアに入ることです。エミレーツ航空でドバイ経由になると、少し高くなります。

ムンバイを発ち、サバンナ上空にさしかかった時、私は地平線まで広がる茶色の大地に、心から歓声をあげました。 「うわー広い!」 そして、その何もない広大な茶色の大地に、飛行機は着陸しました。 現地で、同じツアーに申し込んでいた、2人の日本人夫婦と合流しました。ですので、私を含め3人の旅行者と、現地人のドライバーさん、ガイドさんと5人で地方のサファリへでかけました。彼らとのコミュニケーションは、英語でした。 人々は皆陽気です。ガイドさんも、レストランで会うコックさんも、皆よく笑います。そして、アフリカの打楽器を打ち鳴らし、歌い始めます。なんだかこちらまで元気が湧いてきます。

国立保護区でのサファリで見た光景は、一生忘れられません。 視界の90パーセントが空と言われるマサイ・マラ。照り付ける太陽に、地平線まで広がる草原、そこに生息する野生動物…すべてのスケールが大きすぎて、もう心に収めきれないほどです。そして、ここでは、動物より人間のほうが弱いのです。私たちはサファリカーに乗り、ドライバーさんの経験や勘、情報網に合わせて、動物をウォッチできるところをひたすら探し求めました。 キリンやライオン、ゾウ、シマウマ、ヌーたちがそこらを普通に歩いています。ここは動物園ではありません。とても不思議な感じでした。 そしてラッキーなことに、チーターが草食動物をハンティングするシーンが見られました!それはもう、迫力満点で、ものすごいスリルでした。これが自然の摂理というものか…と私は胸をうたれました。 また、草原の彼方に落ちていく夕日も、絶景でした。空が真っ赤に染まり、日本よりも、太陽が何倍も大きく感じました。

この旅で気をつけなければいけなかったのは、治安、食べ物、ぼったくりでした。 最初空港で出迎えてくれた日本人駐在員に、絶対に入ってはいけない公園をあらかじめ注意されました。強盗などに遭うからです。 「入った場合は責任を持ちません。」 とまで言われました。 食べ物も、ツアーに組み込まれているホテルやレストランの食事は安全だと言われていましたが、一緒に旅をしたご夫婦が鶏肉のバクテリアに当たってしまい、丸1日ひどい下痢をしてしまいました。

また、地方までの移動中、トイレやお土産を買うために、何回か休憩をはさむのですが、そこにある民芸品のお店には、すべて値段が存在しません。「交渉」で値段が決まります。日本人はいいカモなので、「これが欲しい」と言うと、原価の10倍以上もするとんでもなく高い値段をふっかけられます。もちろんこちらは、値引き交渉をします。交渉はしてみたものの、私は英語がつたないので、やはりやや高い値段で買ってしまいました。 それでも、あの大自然に囲まれた素晴らしいケニアの光景は今でも心に深く焼きついていて、日本では決して味わえない、地球の素晴らしさや恵みというものを、まざまざと実感した旅でした。 自然や動物、陽気な人々から、抱えきれないほどのエネルギーをもらった、本当にいい思い出です。



この記事をシェアする