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ハーモニー感想 知的好奇心を刺激するようなSFです。 

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今回は伊藤計劃のSF小説ハーモニーを紹介します。この本は第30回日本SF大賞・ベストSF2009第一位・第40回星雲日本長編部門を受賞しています。

物語自体は364ページのボリュームですがそれを感じさせない程面白い内容でした。

あらすじとしては「大災禍」と言われる世界的な大混乱を経て、大規模な福祉厚生社会を築き上げ、WatchMeといわれるナノマシンを体内に入れることで身体を健康状態に保てるようになり病気のほぼ全てを駆逐し、精神やメンタル問題にも適切な指示をくれるようになった。

そんな世界の中で高校生だった主人公霧慧トァンは親友の零下堂キアンと御冷ミァハの提案で自殺を選択。

しかし生き残ったトァンとキアン。提案者のミァハだけが死に、それから13年・・・再び世界を未曾有の大混乱が襲い、生き残ったトァンは危険な遺伝子操作が行われていないか調査する螺旋監査官として、この大混乱を調査する事になる。死んだはずの少女の影と向き合いながら・・・

トァンが小さなキッカケから大災害の大本へたどり着くまでの展開はスピード感も有り次々と核心へ進むストーリーに興奮し一気読みしてしまいました。

しかしそれ以上にストーリーに関連し展開される人間の欲求や精神・意志に鋭く切り込んだキャラクター達の会話は一読する価値はあるかと思います。

フィクションの域は出ないにしろその緻密な人間心理と脳に関しての話はハッとさせられることが多く、理論的に感情や欲求を見つめなおすキッカケをもらえます。

筆者がこれを読んだのは人間関係や自分のマインドコントロールがうまく出来ずに悩んでいた時期でした。

何気なく気晴らしにとった本だったのですが、読む中で自分の中で精神と脳がどう働いているのか、また心理や感情とは何か?と自分の中で起こるネガティブな感情や自分を振り回すような心の動きを見つめなおす事が出来ました。

今でもたまに読み返します。この本が気に入りすぐに作者伊藤計劃さんのファンになったのですが、この作品を最後に亡くなられてしまいショックです。

本の最後にインタビューページがあるんですが、亡くなる最後三か月の間に書き切られたそうで流れる文章の美しさに命を使い切って書かれた感を感じ感動しました。

自分の心を客観的に見つめられるようになりたい方。また知的好奇心を刺激するようなSFを読みたい方に自信をもってお薦めしたい一冊です。

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