諦めかけたエコーズのコンサートのチケット 奇跡的な出会いがおきる 

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私が感動して一生の思い出となっているコンサートは、芥川賞作家である辻仁成氏が率いていたロックバンド「エコーズ」の解散コンサートです。

このコンサートは今から26年前の1991年5月26日、東京の日比谷野外音楽堂で開催されました。

私はこの数年前から辻氏やエコーズのファンだったのですが、地方に住んでいたため彼らのコンサートを観に行く機会がありませんでした。やがて、エコーズの解散が発表されたこの年、私は都内の大学に通うため上京し、日比谷近くにあるアルバイトの住み込み寮で生活をし始めました。

「自分が住んでいるすぐ近くでエコーズが解散する」そう思い、上京してからチケットを買おうとしましたが、すでにこの解散コンサートのチケットは完売状態でした。完売と聞くとなおさら行きたくなるもので、野音なら演奏の音が周辺で聴こえるかもしれないと、私はコンサート当日、ダメもとで日比谷野外音楽堂へと向かいました。

 

当時、エコーズのファンたちは、コンサート会場周辺で誰かが奏でるギターに合わせて曲をみんなで歌うことが流行っていたのですが、この日もやはり、数人のファンたちがアコースティックギターをかき鳴らし、その周囲に大勢の人が集まり、別れを惜しむようにして歌っていました。

私の近くを歩いていた、同じようにチケットを持っていなかったのであろうファンがダフ屋と話をしていたのですが、法外な額のチケット代が私の耳にも聞こえてきて、改めてチケットを買う術がないことを目の当たりにしました。

コンサートを諦め、会場周辺の雰囲気や空気を味わおうと、初夏で汗をかきながら私が歩いていると、ある一人の女性が私を呼び止めてくれ、余ってしまったチケットを定価で買わないかと持ちかけてきてくれました。

私はなんと、この奇跡的で感動的な出会いのおかげでコンサート会場に入ることができ、念願だったエコーズのコンサートを観ることができたのでした。

コンサートは薄暮で影が長くなりかけた時間にスタートし、これまで発表していた代表曲がひと通り演奏されていきました。

エコーズ最大のヒット曲である『ZOO』を聴き、泣きながらうな垂れているファンも多数いましたが、私はこのコンサートで彼らが最後に選んだ曲である

Someone like you』という曲が大好きでとてもおすすめです。
「誰かはあなたをきっと好きでいてくれる」「あなたに似た誰か」そう、両方の意味がある歌詞でとても切ないのですが、別れにグッときてしまう名曲で、今でもその曲を聴いては当時のことを思い出しています。

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