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天才藤井聡太七段の幸福

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将棋界に舞い降りた天才棋士藤井聡太七段の勢いが、止まりません。今期も開幕から9連勝と、16歳で棋界最高峰のタイトル「竜王」位を獲得する勢いでしたが、6月29日(金)の竜王戦2回戦で増田康宏六段に敗れ、今期、羽生竜王への挑戦はなくなりました。

しかし、増田六段は、藤井聡太七段が史上最年少棋士として脚光を浴びる前、事情通の間では「東の増田、西の藤井」と呼ばれて、次のタイトル候補と注目されていた存在です。また、昨年の5月23日、プロ入り以来無敗の藤井七段に29連勝目の白星を提供した棋士が増田六段です。

そんな因縁の藤井聡太七段(平成14年7月19日生まれ)と増田康宏六段(平成9年11月4日生まれ)の年齢差5歳の天才同士の戦いは、先手増田六段の矢倉の意志表示に藤井七段が真っ向から立ち向かう、という居飛車本格派同士の戦いとなりました。

増田六段は、かつて「矢倉は終わった」という発言をし、物議を醸したことがあり、その後、言い過ぎたと撤回発言をしています。オジサン達の幼少期から青年期にかけては、矢倉戦法全盛時代で、将棋をちょっと指す人なら誰でも一度はやったメジャー戦法ですが、栄えるモノ必ず滅ぶの例に漏れず、研究の進んだ現代将棋では、後手が勝ちにくい、というのが定説となっていて、後手番を引いたほうが、矢倉ではない駒組にすることが多いのですが、藤井七段は、避けずに矢倉を選択しました。

藤井七段は、王様を囲わず、居玉のまま、増田六段の攻めを受け、上手に飛車を成り込んで、矢倉戦らしい、互角の捻じり合いが続きましたが、藤井七段に疑問手が出て、そこから増田六段がリードし、ジリジリと差を広げていきます。

藤井七段も必死に粘りの手を指しますが、増田六段の寄せは、正確で、藤井七段の投了、増田六段の勝利となりました。増田六段は、「プロ棋士レベルには、対局で決して同じ形が出ない詰将棋は必要ない」、と公言している棋士ですが、詰将棋選手権4連覇中の藤井七段の正確無比な終盤に競り勝ち、寄せの力も一流であることを証明しました。

増田六段だけではなく、現在の20代には、高見泰地叡王、菅井竜也王位のタイトルホルダーを始めとした才能溢れる有望な棋士が多数存在します。勝負ごと実力向上には、近い世代に強いライバルがいるか、というのは非常に重要で、将棋界では、大山十五世名人と升田幸三実力制第四代名人や、最近では、羽生善治永世七冠と谷川浩司九段の例があります。

羽生善治竜王が初の竜王戦の防衛戦で谷川九段に1勝4敗と全く歯が立たず、そこから谷川将棋を超える勉強をし続け、七冠王を独占、という偉業を達成したのは、有名な話です。これから再び七冠王独占ができそうな才能を持った棋士は、私が生きている間、藤井七段だけでしょうから、現在、藤井七段の前に強い先輩たちが沢山いる状況は、藤井七段や将棋界、将棋ファンにとっても、幸せなことだと考えています。



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