白バイガール感想 頑張るお仕事女子奮闘記

calendar

reload

白バイガール感想 頑張るお仕事女子奮闘記

今日お薦めしたいのは、佐藤青南さんの『白バイガール』です。   

いつか箱根駅伝の先導をしたい」という夢を持ち、交通機動隊の白バイ隊員になった本田木乃実(ほんだこのみ)。

しかし現実は厳しく、基本業務は交通違反者の取り締まりという地味な作業。

違反者にはなめられてしまうわ、バイクの操縦はおぼつかないわで今日も苦労の絶えない木乃実。

同じ課の先輩達は優しいけれど、唯一女同士で仲良くしたい川崎潤(かわさきじゅん)には冷たくあしらわれる毎日……

この「白バイガール」は、そんな主人公の木乃実が、ある事件の調査をきっかけに苦難を乗り越え、成長していくお仕事女子の物語です。

今回はそんな本作の魅力を3つに絞ってご紹介します!

POINT

(1)主人公に共感できる!頑張るお仕事女子奮闘記
(2)手に汗握るバイクチェイスの情景描写
(3)ライバル(川崎潤)の存在が物語を熱くする

(1)主人公に共感できる!頑張るお仕事女子奮闘記

白バイ隊員?警察?よく分からない……と思うなかれ!この小説の魅力の一つ目は、木乃実の抱える悩みや葛藤に共感できるところです。

小柄なせいで白バイの操縦に苦戦したり、威厳が出せず交通違反の取り締まりには手を焼いたり、といったお仕事のスキルへの悩みから、同僚となかなか親しくなれない人間関係の悩み。

さらには、夢であった白バイ隊員になったのはいいけれど、自分は本当にこの仕事に向いているのかな?という、誰もが一度はぶつかる悩みに、主人公は次々と直面します。

決して器用ではないけれど、頑張り屋で人間味のある木乃実が苦難を乗り越えていく姿に、共感&勇気をもらえること間違いなしです。

(2)手に汗握るバイクチェイスの情景描写

2つ目の魅力は、バイクチェイスの情景描写の素晴らしさです。

交通違反者を追跡する時や、事件の犯人を追い詰める時の臨場感は、バイクに全く詳しくない私が読んでもドキドキしました。

情景がありありと想像できるくらいのスピード感と、少しでもハンドル操作を誤れば命はないという緊張感が見事に描かれています。

また、バイクの操縦技術に関しての表現も細かく、バイク好きの方にも十分読みごたえがあると思います。

登場人物達の名前も「本田」や「川崎」になっているなど、ささやかな小ネタがあるのも嬉しいですね。

(3)ライバル(川崎潤)の存在が物語を熱くする

成長物語には良きライバルの存在が不可欠ですよね。

本作にも主人公のライバルとなる存在として川崎潤がいます。

面白いのは、敵視しているのは潤の方だけで、木乃実は潤と仲良くなろうと休みに買い物に誘ったり積極的に話しかけたりと、二人は正反対。

そんな二人の関係性が、木乃実の働きかけによって少しずつ変化していくのも見どころです。

さらに、周囲からは仕事ができて優秀と思われていた同僚の潤ですが、彼女もいくつかの悩みを抱えていました。

主人公が憧れ、いつもうらやましいと思っていた潤。しかし実は彼女も主人公に対して羨望の念を抱いていたのです。

どんなに優れて見える人でも人知れず努力したり、悩んでいる。

そして自分が当たり前にできることも、他人からみれば特別なことかもしれない。

そんなことに気づきながら前に進む登場人物たちの姿に、思わず胸が熱くなります。

あまり話すとネタバレになってしまうので我慢しますが……!クライマックスシーンは最高です。ぜひ最後まで二人を応援してください!

(おまけ)神奈川県民が読むと臨場感が倍になる?!

神奈川県が舞台となっているこの作品は、神奈川県民おなじみの地名が数多く登場します。

横浜や川崎といったメジャーな地域から、溝口や元住吉、日吉といったローカルな地域まで……なじみのある場所で犯罪調査やバイクチェイスが繰り広げられる場面は臨場感抜群!神奈川県民にはたまりません。

もちろん県民ではなくても、神奈川に土地勘のある方、昔住んでいた方などは「あそこだ!」などと読んでて楽しくなると思います。

以上、『白バイガール』をご紹介いたしました。

お仕事で悩みがある方。明日からまた頑張ろう!という勇気をもらいたい方。バイク好きの方。神奈川にゆかりのある方。

またどれにも当てはまらなくても、ぜひ一度読んでみてください。きっと何度でも読み返したくなります。

白バイガール (実業之日本社文庫)

新品価格
¥640から
(2018/3/11 21:31時点)