全国戦没者追悼式に思うこと

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8月15日に全国戦没者追悼式の生中継が行われました。今年の全国戦没者追悼式は、今上天皇が出席する最後の機会となります。来年からは、新天皇と新皇后陛下が出席されることになります。

全国戦没者追悼式は、年々少しずつ変化が見られてきました。具体的には、天皇陛下の追悼の言葉の文言に変化が見られたり、出席する遺族の構成にも変化が生じて戦没者の子供世代だけでなく、孫世代やひ孫世代が出席する傾向が強まっています。

昭和天皇の時代はそうではありませんでした。そもそも昭和天皇ご本人が、敗戦までは政治権力を持った日本の最高指導者でした。そのため晩年、手術を受けた翌年も、静養先の那須御用邸からヘリコプターで東京に向かい、足元をふらつかせながらも出席されました。おそらく昭和天皇の気持ちとしては「自分の責任において、多くの国民を死なせてすまなかった」という思いが強かったのだろうと思います。

また、昭和天皇時代の内閣総理大臣も、皆さん戦争経験を持っていました。例えば、中曽根総理大臣は海軍士官として戦場に出て、自分の目の前で部下が戦死した経験を持っています。

そして、全国戦没者追悼式に出席していた遺族のほとんどは、戦死した兵士の奥さんや両親、あるいは若い子供世代でした。出席していたあらゆる人々が、戦争の当事者だったのです。

しかし現代は違います。今上天皇は終戦時は小学生で、日光に疎開されていました。また、いまの安倍総理大臣は戦後生まれです。そして大半の遺族は、戦争経験のない戦死者の孫世代となっています。

私が気になる点は、近年の戦没者への追悼の言葉のなかに、戦没者への追悼とは関係がない言葉が盛り込まれるケースが増えている点にあります。

例えば今上天皇は4年連続して「深い反省」という文言を入れられました。これは、おそらく中国や韓国に向けられた言葉であると推測できます。しかし、はたして適切な文言なのか否かは議論の余地があると思います。

1930年代以降の国際情勢は、帝国主義が全盛期の時代でした。国家間で、食うか食われるかの時代であり、そのために日本は朝鮮半島を支配下に置き、中国に戦線を拡大して欧米列強と対等であり続けようとしたのです。

それを無条件に反省してしまうのは、現代の国民をミスリードすることにつながりかねません。実際、現代の中国政府は、何回も日本の領海侵犯を繰り返しています。また、韓国は日本の領土である竹島を実効支配し、竹島近海で軍事訓練さえ行っています。

対外的には、総理大臣よりも天皇の言葉が重いと信じられる傾向があります。このため、次の天皇陛下におかれては、公の場でのご発言については注意深く言葉を選んでいただきたいと真剣にお願いしたいと思うのです。



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