MRJが英国航空ショーでフライトも量産化に試練のニュース

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MRJが英国航空ショーでフライトも量産化に試練のニュース

『三菱航空機が開発を進めている国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」が7月、英国・ファンボロー国際航空ショーで初めてデモフライトを行った。すでに量産体制の構築も行われているが、まだ多くの試練があるようだ。』というニュースが報じられました。

航空ショーでの初フライトは、受注を増やすために行われたものですが、期間中の商談では1機の受注も出来なかったと続けて伝えています。

また『MRJの量産1号機は、2020年半ばに全日本空輸(ANA)へ納入する予定で、その後、順次他の発注者に納入していくことになる。試験飛行に入った後も大きな設計変更があり、納入は5回延期してきたが、民間旅客機としての安全性を証明する各国航空当局の「型式証明」取得はメドが見えて来た』としつつも、量産化のハードルが高い事や、競合の小型ジェット旅客機メーカーがボーイングやエアバスの傘下に入った事から売り込み競争においても試練が続くと分析ニュースも報じられています。

日本は第2次世界大戦までは、航空機にも優れた技術力を有する国でした。しかし、戦後日本が戦闘機を開発できないように、連合軍はすべての航空機の生産を禁じて来ました。

これが解禁されて以降、プロペラジェットのYS11を世に送り出したものの、アメリカを中心とする航空産業においては、決定的な差を付けられているのです。

日本は技術分野では世界有数の国と言われていますが、それでも一定の技術分野が閉ざされ、そこに従事するエンジニアが実践的に育てられる事がなければ、それ以降の技術の積み上げが無くなるだけでなく、それまで保有していた技術さえも失われてしまう事を、この事例は示しています。

研究分野では、一定期間断絶していても、文献に断絶期間中の進歩の足跡が残されており、キャッチアップする事は優秀な研究者と予算を投じれば比較的追いつき易いと言えます。

しかし、技術は文献や特許で明らかになっている事以外に、多くのノウハウがあって初めて成り立つもので、断絶の時代があれば、このノウハウの蓄積が出来ない事でキャッチアップには非常に時間を要するのです。

また、技術を使って生産される製品は、顧客のニーズが十分に判っていなければ販売に繋がる様な製品にはなりません。これは、航空機と言えども同様で、この点でも三菱航空機は苦戦しているのです。

技術と言うものは、こうした連綿とした積み上げで確立されると言う事は、十分に理解して経済ニュースや産業ニュースを理解する事が必要と言えます。



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