村上龍の「69」感想

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私がおすすめしたい本は村上龍の「69」です。
当時私は20代前半。

ショッキングピンクの表紙に69と大きく書かれた本を手に取った時、らしいなぁと思いました。
1969年作者の高校時代がモデルの自伝的小説なのですが、もちろん狙ってつけたタイトルですね。

高校三年生の「僕」矢崎剣介・ケンが友人の山田正・アダマらと繰り広げる青春ストーリー。
学校のマドンナ、松井和子の気を引きたい一心でフェスティバル開催を計画する。フェスティバルの意味なんて分からない。ただ楽しいことをしようというだけの無計画さ。

フェスティバルでは松井和子をヒロインにした映画を作成することに。脚本をケンが書き、主役も勿論ケン。なんとかクランクインにこぎつけたが8ミリを持っていない。全共閥グループに8ミリを借りに行き、流れでなぜか学校のバリケード封鎖を宣言し・・・。

69は私が生まれる前の時代が舞台になっています。。
ベトナム戦争とか学生運動とか、激動の’69年は知識として知っているだけです。ですから、時代背景に共感できる部分はありません。

それでもこの本を読んだ時、とてもワクワクしたのを覚えています。
この年代特有の行動力や好奇心、ありあまるほどのエネルギーはいつの時代も同じですね。

「女の子にモテたい」で頭がいっぱいで、行き当たりばったり、仲間たちと今を楽しく生きることに全力投球。
一見バカバカしいけれど、学生時代をこんなに楽しく過ごせて羨ましい。

現代の学生さんたちは無気力で、昔のような情熱がないという人がいるけれど、私はそうは思いません。
時代が変わり方法が変わっただけで、何かに夢中になる、キラキラした情熱はみんな持っているのではないでしょうか。

私の娘も、家では常に携帯に向かっているように見えますが、部活になれば携帯の電源をオフにして、昔のスポ根さながらに頑張っています。
自分たちの時代との違いを、大人が受け入れられないだけなのかもしれませんね。

作者があとがきで、楽しく生きないのは罪であると述べています。
現代の若い方たちが読んでも楽しく読める本だと思います。
ストーリーも痛快ですが、フォントの使い方や、ケンの語り口調の文章もとてもおもしろいですよ。

強調したいところが大きな文字になっているのですが、そのセレクトが秀逸です。
イケメンのアダモのひどい方言や、ケンの「~というのは嘘で」なんて言い回しに引き込まれ、飽きません。
ぜひ読んでみてください。おすすめです!

 

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