チョット、お硬い書籍・本になりますが、今日は半藤一利氏の「ソ連が満州に侵攻した夏」(文藝春秋、文春文庫)を推薦、お薦めしたいです。
先月、ロシアを訪問した安倍首相が、モスクワでプーチン大統領と会談し、北方領土の交渉に関して経済、其れに領土問題を巡る交渉を再開させることで合意しました。 其の領土返還問については、「交渉をスタートさせ、それを加速化させる」こととしているが、ロシアの島の経済が優先か、其れ共、四島の返還交渉を優先させるべきかが、未だ鮮明な答えは見えないようです。
当初の頃は返還に関するロシアの主張は「歯舞、色丹の二島返還」の2等分方式(島の数か、面積かは不明・・?)のように楽観推察できるが、本音のところは不明とされているようです。
この北方領土四島の帰属問題はどの様な経緯で起きているか、又、其の原因は何処に有るのか・・?、其れは当然ながら第二次大戦時の日本対ロシアの当時の戦争に起因するのだが、其の詳しい様子を網羅した強力な著書が、半藤一利氏による「ソ連が満州に侵攻した夏」だったのです。
さて、その著書の主な内容によりますと、ソ連が日本領土もしくは支配地を襲ってきたのは1945年の夏のことであった。 本文は太平洋戦争も末期、日ソ中立条約から始まり、連合国で唯一対日戦争に参戦していないソ連に、日本は敗戦も止む無しという劣勢状態で、終戦の仲介を依頼しようとすることから始まります。
しかし、ソ連・スターリンの思惑は、表面上は日ソ不可侵の条約は結んではいるものの、宿敵日本に襲いかからんと虎視眈々と狙っていたのである。 それは、日露戦争の敗戦の鬱憤を晴らさんが為でもあったのです。
そして、ヨーロッパでの対ドイツ戦でソ連が勝利を治めると、兵力は一斉に極東の日本へ向かわせるのです。 この時、既に日本はポツダム宣言を受託し敗戦が決まっていたのです。 その事をソ連は承知していない振りをして、日本の支配下に有った満州と北方領土へ侵攻するのです。
日本本国では、戦争の終結に安堵しながらも、敗戦によるショックと落胆とに包まれていた頃、中国大陸の満州ではソ連兵のよる殺戮や略奪の真っ只中にあったです。 当時の関東軍総司令部は、どうする事も出来ず退却し、混乱の中で女性や幼児を含む大勢の民間人が見殺しにされたのです。
更に、この悲劇は国際法を無視したシベリア抑留という過酷な運命へとつながるし、北方領土も正規の手続きを行わないで、無法に収奪したとされているのです。
これらを招いた根本原因は「日本の軍事指導層の無能、無策」にある、と著者は言い切っているのです。
因みに、北方領土、即ち、北方四島は国後島(くなしりとう)、択捉島(えとろふとう)、歯舞群島(はぼまいしょとう)、色丹島(しこたんとう)の主な島々や海域のことになります。 地域的には北海道根室半島の直ぐ数キロ、又は数十キロの沖合にあり、現在ではロシア連邦が実効支配しているところですが、日本側がこれらの島々の返還を求めているのですが、此れが事実上の「領土問題」になっているのです。
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