カショギ氏殺害事件とサウジアラビア情勢について

calendar

昨今、国際ニュースで最も注目されているのは、サウジアラビアによるジャーナリスト殺害のニュースでしょう。トルコ・サウジアラビア両国を巻き込んだ事件であり、それぞれの思惑と情報が錯綜して実態が掴みにくいのですが、いくつかのポイントを押さえておくと今後の流れに目が行きやすくなります。

まずポイント1は、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された場所です。今回の事件が起こったのは、トルコ国内でありながらトルコの法が適応されない場所、総領事館での出来事ということです。

総領事館や大使館と呼ばれる建物は、事実上は国内にありながらも、大使館に常駐している国の法律が適応されます。今回のカショギ氏殺害は、トルコ国内のサウジアラビア総領事館で起きた事件です。つまり、トルコではなくサウジアラビアで起きた事件であるため、本来はトルコ政府が介入できないという見方をすることもできます。ここがこの問題の根を深くしているポイントです。

2つ目のポイントとしては、サウジアラビアとトルコの関係が険悪であるということです。両国はイスラム教の宗派の違いもあり以前から対立の根が深い地域同士でした。

加えて、反米思想が根強いトルコと、米国による民主化支援を受けているサウジアラビアとでは国際的な発言度が違います。

くわえてサウジアラビアは世界最大の産油国・石油輸出国であり、サウジアラビアの安定が世界の石油供給の安定化にも繋がるため、いわば「そっとしておこう」と各地から思われている国でした。この地域で派手な戦争や紛争などが起こると、石油価格の高騰などを招きかねないという状況です。

そして3つめのポイントが、サウジアラビアの実質的な最高指導者であるムハンマド皇太子の強権的な政治体制です。サウジアラビア含むイスラム教圏は男女が対等ではない、強烈な男尊女卑で知られています。女性は数多くのことを禁じられており問題になっていますが、ムハンマド皇太子は女性の地位向上を掲げ、様々な改革を推し進めてきました。

例えば、これまで禁じられていた女性の自動車運転を解禁したり、教えに背くからという理由で禁じていた映画館を数十年ぶりに復活させるなど、枚挙に暇がありません。しかしその裏で、保守的なジャーナリストを一斉逮捕したり、不審死を遂げる報道関係者が続出するなど、健全とは言いがたい政権運営が続いている状況でした。

現在、トルコ政府は容疑者の引き渡しを要求していますが、サウジアラビア側は応じるつもりはないと突っぱねており、今後も混乱が予想されます。今回の事件に際してムハンマド皇太子は「自分は無関係であり、カショギ氏殺害に関与した者は逮捕拘束した」と発言していますが、誰が指示したのか、そもそも遺体はどこにあるのかといった真相は謎のままです。

スポンサーリンク

キャッシングなら消費者金融のアルク

ランキングに参加しています。下のバナーを押していただけると大変嬉しいです。 ヾ(*´∀`*)ノ



この記事をシェアする