絵描きを目指して昼はテレホンアポインター、夜はスナックのバイトとかけもちでした。

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絵描きを目指して昼はテレホンアポインター、夜はスナックのバイトとかけもちでした。

私は絵描きを目指して上京してきました。

絵を描くスペースが必要なため、普通の女の子が住むような可愛いワンルームには住めず、築年数が長いボロボロの日の当たらない借家を借りて住んでいました。

油絵の具は、高価なものなので、普通のアルバイトでは生活費しか稼げず、昼はテレホンアポインター、夜はスナックのバイトとかけもちでした。

住んでいる借家は、大家さんの家の裏にあり、私の部屋の南側の大きなサッシの窓を開けると、大家さんのおトイレの小窓が目の前、という眺めは全然良くない環境でした。

日が当たりませんが、2畳ほどの洗濯を干せる庭があり、土もあったので、少しでも食料になればと、100円ショップで買ってきた、ほうれん草の種とサラダ菜の種を植えていました。

ある日、家に帰ってくると、玄関前の外の通路がどうもガス臭いのです。

まあ外だし、と放って置いたのですが、毎日毎日、玄関を出ると臭うし、漏れてる量も多くなってきたようで、玄関の外に洗濯機を置いているので、洗濯機もボロなので、火花でもでて引火したらこわいし、部屋も隙間だらけなので中にガスが入ってくるかもしれないぞと思い、大家さんに助けを求めました。

業者を呼んでくれ、なんと地面に埋まってるガス管が古すぎて、地中で割れてガス漏れしていたとのこと。通路のコンクリートを剥がして、埋まっているパイプを交換、という大工事をしてくれました。

個展も決まり、ギャラリー代を支払ったら、いよいよお金がなくなりました。

毎日、小麦粉を焼いたり、茹でたりしながら食べていたのですが、さすがに、野菜が食べたい!青いものが食べたい!と思い、道に生えてる草も美味しそうに見えるようになりました。

庭に撒いた種はぜんぜん芽が出てこなくて、私が作った小さい畑以外の場所には、なんだかわからない草がぼうぼう生えています。

しょうがないから、草を食べてみようと思いました。

短期のバイトで行った精進料理のお店のコックさんが、「虫が食べてる草は食べれる」と言っていたので、虫食い草を選んで食べました。

草、美味しいです。根っこと葉っぱのジョイント部分は硬いのですが、葉部分は、青臭く、筋っぽいけど、油炒めで食べられました。

やっぱり、ほうれん草っぽい形の草はほうれん草っぽい味です。イネっぽい草は、筋っぽいので、よく刻まないと美味しくないです。

それから、塩胡椒炒めのような、シンプルな味付けよりも、ごま油と一味と砂糖で味をつけ、韓国風?コチュジャン?みたいな味付けにすると、どんな草でも美味しくいただけました。

その後、八百屋さんに行くと、キャベツの外側の葉や、大根の葉など、捨ててしまう葉を、お願いしておくと取って置いてくれることを知り、私の食卓は豪華になりました。

今私は一児の母です。子供も、絵描きではないですが、芸術家を目指して日々努力を重ねています。

芸術の道に進むと、貧乏のどん底での生活をするのかもしれないと不安になっています。

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