嘘をつくときは信ぴょう性のある嘘をつきましょうというお話

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嘘をつくときは信ぴょう性のある嘘をつきましょうというお話

高校のときの同級生K子は、私含め仲良し4人グループのうちの一人。私は幼いころより転勤族だったため高校で合流、その他の3人は地元の幼馴染です。
クラスの中ではさほど目立ったグループではなく、色黒でぽっちゃり体型のK子は容姿端麗ではありませんでしたが、とにかくナルシストで自信満々!

お金持ちでハンサムな幼馴染のフィアンセがいたが、数年前に事故で亡くなってしまったという話は超鉄板。
バイク事故で後ろに乗っていたK子も大怪我をし、生死をさまよったそうで、その話をするときいつも涙ぐんでいたため素直な女子高生だった私は信じ切って一緒に涙を浮かべていましたが、幼馴染のA子とYはいつも涼しい顔をして聞き流しており、聞き慣れていまさらシンパシーもないのかなと思っていました。

いま思えば事故で亡くなった彼氏がバイクを運転できる年齢だったとしても、後ろに乗っていたK子は少なくとも15歳以下。
あり得なくはないけれど、女子高生心になんだかもやもやしていました。笑
K子の話にはいつもどこか矛盾がありましたが、まあ、話半分でネタとして捉えつつ、毎日楽しくおしゃべりに花を咲かせていました。

そんなK子がある日「私、Mにずっと黙ってたことがあるんだけど…」と、深刻な表情で話しかけてきました。
うん、なあに? と軽く聞き流す私。
「私のおばあちゃんスウェーデン人なんだよね」
思わず絶句。その後、「ああ、うん、そうなんだ…」と切り返すのがやっとでした。
冒頭でも触れましたが、色黒の皮膚に、真っ黒な髪、一重の小さな目に厚い唇。純粋なアジアンの容姿を持つK子。
どこからどう見てもクオーターには見えません。
あとでグループメンバーのYに聞いてみると「みたいだね。まあ、うちはノルウェー人って聞いてたけどね」とのこと。

祖母がふたりとも外国人なんてすごいねぇ…。と、ふたりで乾いた笑いをもらし、その後、その話題には自発的に触れも突っ込みもしませんでした。
後日談として、K子は東北地方の超絶有名武将の子孫であることが(彼女の告白により)判明。
地元へ戻った際に蔵から超お宝品がざくざく出てきたそうですが、それもいまとなっては嘘だったのか真実だったのか不明です。
当たり障りのない友人関係を続け、卒業後、彼女はすぐに結婚して子供を儲けました。私は地元を出て就職したため疎遠になり、いまでは連絡もとっていません。

高校のときの想い出を振り替えれば、必ず出てくる、超有名武将の子孫でウェーデン(もしくはノルウェー)のクオーターであるK子。
子どもも虚言壁のある子に育つのかなぁ、なんて、ぼんやりと思い出したりします。
私は反面教師として嘘だけはつかなくなりました。
K子、ある意味ありがとう!

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