病気が教えてくれたこと

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病気が教えてくれたこと

今回は、私の人生に起こった思いがけない出来事をお話ししたいと思います。

それは、病気です。

もともとアレルギーがあり、目が痒く病院に行ったところ、緑内障と診断されたのです。

想像すらしていなかった病気に、私はただただ呆然となりました。

しばらく、何をしていてもそればかり考え、落ち込みました。

視力を失うかもしれない恐怖で、夜もよく眠れない日々が続きました。

大げさかもしれませんが、「もう人生終わった」とすら思いました。

しかし、しばらく思い悩んだ後に私が思ったのは、目が見えるうちにさまざまなものを見て、体験しておこうと言うことでした。

これまで、いろいろな言い訳をして、先延ばしにしていたやりたいことをやろうと心に決めたのです。

例えば、海外旅行に行って、見たかったさまざまな絵、風景を見ておこうと思いました。

学生時代、芸術学科を専攻していたため、見たい絵は数え切れないほどありましたが、社会人となり、慌ただしい日々のなかで後回しにしていたのです。

「お金が貯まったら」、「今の仕事が落ち着いたら」など、いけない理由を探して、見る機会を失っていました。

しかし、「後回しにしている間に目が見えなくなったら」と考えると行動しなければと強く思いました。

そうと決まれば、後は早かったです。

さまざまな工夫をしながら、お金の工面と時間の調整など、案外やってみたら決してできないことではありませんでした。

そうして、さまざまな国、もちろん国内も周り、多くの素晴らしい絵や風景を心に刻みました。

これらのものは、病気を患わなければ、一生見ることが出来なかったかもしれないと考えると、病気が教えてくれることや与えてくれるものがあることを知りました。

病気を患ったことで、私は以前より行動的になり、さまざまな感動や喜びを感じる感度が高くなったように思います。

これらことを考えると、病気は私の人生からさまざまなものを奪うだけの存在ではないと思えるようになりました。

病気は、私にさまざまな気づきと経験と感動を与えてさえくれたのです。

もちろん、今でも恐怖心がゼロになったわけではありませんが、完全に病気が悪であるとか敵であるとは思わなくなりました。

例えるなら、ちょっと距離を取りながら、共に人生を歩くパートナーとでも言った感じでしょうか。

そう思えるようになってから、心も軽くなり、さらに、よりフットワークも軽くなりました。

これからも、病気とうまく付き合いながら、人生を楽しみたいと思います。

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