娘が「死にたい」と口にしました。

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娘が「死にたい」と口にしました。

私が人生の中で一番辛いと思ったのは、子供が「死にたい」と口にした時でした。

私の娘はちょうど中学校に入ったばかりで、部活に入ったばかりの時でした。

一体どうしたのかと話を聞いてみようとしましたが、なかなか理由を話してくれませんでした。

「死にたい」と口にしたのも、本人の意思とは反していたようで、どこか後ろめたそうでした。

彼女はどんどん食欲もなくなり、顔も青白かったです。私は母親として何もできないのが歯がゆく、こちらまで辛いと思うようになりました。

もちろん一番辛いのは本人でしょう。一体何があったのだと直接聞いても答えてはくれないので、ひたすら待つしかありませんでした。

娘は大人しくて、控えめな性格でした。自分からわがままを言うことはほとんどなく、よく言えば我慢強い子供なのですが、その分甘える事が苦手だったのです。

そんな彼女を見ていると、私自身も苦しい思いがしました。彼女は私の幼い頃にそっくりで、それがとても悲しいのです。

私は昔、いじめられていました。クラスの子に物を隠されたり、1人だけ仲間外れにされたり。

その時は恥ずかしくてつらくて、親に相談する事が出来ませんでした。最終的には自分で解決しましたし、全て終わってから打ち明けました。

もしも娘も同じようにいじめにあっているなら、どうにかしなければならない。私自身に重ねて見てしまい、夜も眠れませんでした。

彼女は、私が気づいてくれるのを待っているのではないか。ふとそう思う事がありました。そこで思い切って尋ねてみたのです。

「中学校、行きたくない?」と。すると、彼女は急に泣き出してしまい、ネジが外れたようにわんわん声を上げて涙を流しました。

学校に行きたくない。でも、不登校にはなりたくない。周りから取り残されたくない。そう言って彼女はしばらく泣いていました。

話によりますと、部活が始まったのは良いけれども、先輩が異様なほどに恐ろしく、顔を合わせるのも怖いというのです。

それを聞いて腹が立ち、私は顧問の先生に言うことを考えました。しかし、彼女は何もしなくて良いと言いました。

部活も辞めないと言うのです。それはどうしてなのか。「先輩に負けたくない」と真っ赤な目をして言いました。   

このまま辞めたら、負けたことになる。と確固たる意志を持ってそう言ったのです。

我ながら、なんと強い子供なのだろうと思いました。ですが、いつ我慢の限界を迎えるか分かりません。まだまだ辛いですが、支えてあげたいものです。

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