池袋貧乏体験

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池袋貧乏体験

私が体験した人生の中で最もどん底に落ちた日をお話したいと思います。

それは私が20歳のときに●●で働いていたころでした。

父親からは暴力を振るわれ、逃げて1人で生活していく他ありませんでした。

そのほうが私にとっても、心理的にかなり楽でした。

人々からは『不潔だわ』『はしたない』と言われましたが、早くお金を稼いで1人で生活していくためにはそういった手段しかありませんでした。

父からの精神的暴力や身体的暴力を受けるよりははるかにマシだと感じました。

●●といっても貰える手取りの金額はよくて9000円です。

悪くて一文なしです。

そのときの池袋での稼ぎは25000円でした。

おそらく社長が私にお客さんをつけてくれたのでしょう。

ほんとうに嬉しかったのを未だに覚えています。

そしてその日の夜は、ネットカフェに宿泊することにしました。

まだ勤めてまもない私にホテルに泊まれるような資金はありませんでした。

私は、疲れてクタクタな足を引き摺らせながらネットカフェに向かったことを覚えています。

宿泊料金は約1000円でした。

貧乏生活の私にとっては、すこし高く感じました。

とりあえず財布を鞄にしまい、その上で眠ることにしました。

夢の中で父が笑っていることに気づいて、私はふと『良かったなぁ』と寝言を言ったと思います。

そして夢から覚めたとき、私は財布を心配しましたが、財布もあって良かったなぁ、と思いました。

念のため財布の中を確認することにした私でしたが、見た瞬間言葉を失っていました。

稼いだお札のお金がすべて抜き取られていたからです。

小銭はありましたが、微々たるもの。

私は必死になって個室スペースを手当たり次第調べました。

そしてどこにもないことに気づいた私は、ネットカフェの店員さんに警察に通報して貰いました。

しかしお客さん全員を調べてもない、とのことで、被害届を出すのも辞めました。

被害届を提出しても、お金は戻ってこないと知っていたからです。

ネットカフェのお金だけは残っていたので、それを支払ってから退出しました。

池袋の西口で、私はこころの中で『また貧乏になったんだ』と呟きました。

近くのファミリーマートで、サラリーマンがビニール袋を手にしているのを見ると、お腹が空いて仕方ありませんでした。

もう一度財布の中の小銭入れを見ても、500円玉も100円玉もなかったので、諦めました。

また稼ぐしかない、と思った私は、再び働きに出ることにしたのでした。

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