当時、私は中学生でした。私は先天性の心疾患を患っており、生まれてすぐに心臓の手術をしたのですが、その後年に1度は必ず病院へ行き、レントゲンやエコー検査を行い、心臓の状態を診察していました。
幸いにも目に見える障害や、生活に支障が出るような症状はなかったのですが、中学生3年生の冬、レントゲンを診ていた先生が突然言いました。
「来月入院しましょう、心臓の検査をします。」
中学生3の冬といえば、受験勉強に勤しむ時期。私は本当だろうか、もしかしたら浪人するかも…と、心臓のことよりも学生の本分が疎かになるかもしれないことに頭を悩ませた記憶があります。
兎にも角にも、体が1番と思っている医者、そして親に言われるがまま入院支度を整え、1週間の検査入院をすることとなりました。
そのとき行った検査は、心臓カテーテル検査といい、心臓にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓の動きを見るといった検査でした。
足の付け根に穴を開け、管を通す…今思い出しても恐怖です。実際は、検査の前に眠くなる薬を飲み、局所麻酔を打ったのにも関わらずかなりの激痛が心臓を襲い、胸が焼ける感覚が常にあり、とても眠れる状態ではありませんでした。
それでも淡々と検査は進み、1時間程で終了。ストレッチャーにて病室へ戻るも動かず、トイレはナースコールで看護師を呼び、差し込み便器での排尿に排便という要介護状態。動きたくても動かせない状況では看護師を呼ぶしかなく、泣く泣く何度か助けられてながら用を足したのは今となっては懐かしい思い出です。
検査後は思ったよりも早く退院となったのですが、1週間もベッド生活が続くと、筋力の低下が凄まじく、歩くのも一苦労です。
壁づたいによろよろと歩く私のことを心配してくださった看護師さん、ありがとうございます。
こうして多感な時期の入院生活を終えた私ですが、退院後待っているのは受験戦争です。
実のところ、1週間でそれほど勉強の遅れもなく、検査前は暇でロビーなどで集中して試験対策に興じることができたので、むしろラッキーとさえ思いました。
夜中の見回りでこっそり携帯の明かりで勉強をしていたのを見逃してくれてありがとうございます、そしてすみませんでした。m(_ _”m)ペコリ
今回は大きな病気、怪我ではなく、短期入院について書いたのですが、たとえ短くても入院は入院です。
白い壁に囲まれて社会から切り離されている感じ、心配な気持ちがひしひしと伝わるお見舞い、塩っけのない病院食…すべてが普段送っている日常からかけ離れていて、毎日が不思議な感覚でした。
長期入院、闘病、リハビリをされている方の大変さは、私たちの想像以上だと思います。
それでも、たとえ1、2日の入院でも、悩みはたくさんありますし、どうしても不安は拭えません。
どうか、身近に入院されている方がいる、という方。少しでもいいので、「大丈夫」という言葉をかけてあげてください。その言葉に救われる人はきっと、大勢いると思います。