私は今現在元気に生きています。
花粉症など多少アレルギー体質ではあるものの大まかにずっと元気でインフルエンザにかかった記憶もありません。
そのため日常死と言うものにはあまり近さを感じませんが、人生に2度ほど命の危機を感じたことがあります。
今思い出しても一歩手前までは確実に行っていたと思うのです。
三途の川が見えてきて足を踏み入れる一歩手前というニュアンスよりは瞬間的に飛び越えたら消えていたみたいな感じです。
でも確かにそこの近くまでは行っていたと思われます。
一度目の命の危機は親戚一同で海に一泊旅行に行った時のことでした。
早朝海岸を母親と散歩していたのですが既に70歳は過ぎていただろう母が無謀にも海岸を囲む塀の上に登って歩き出したのです。
もちろん幅は50cm位はあり歩けない事はないのですが「やめようよ」と声をかけましたが聴こうとしませんでした。
仕方なく私も登って少し後ろを恐る恐る歩いていると急に大風が吹き2人とも声は出しませんでしたが「アー」という感じで10m以上下の砂浜に転落してしまいました。
不思議と落ちていった時がスローモーションのようでした。
でも実際は一瞬のことだったのですが。
母が回転する様子がゆっくり見えて自分も同じ様に回転して2人でどこも打たずに着地していました。
サーファーが集まってきて「大丈夫ですか?」と声をかけてきました。
母は「大丈夫」と余裕で応えていました。
「スゴイですね」と遠目で見ていたのか驚いている人もいました。
こんな老人が塀の上を歩いているのも変だしその上忍者のように回転着地したわけですから。母も私も学生時代はバレー部、結婚後はママさんバレーで培った回転レシーブの体勢が染みついていたのだと今も元気な母とは思い出の笑い話です。
二回目の命の危機はそう道幅のないガードレールのない歩道を歩いていた時のことです。
駅前なので車通りも人通りもそこそこという場所です。
何にも考えず歩いていたのですがふっと振り返るとバンが猛スピードで歩道に向かって来ていました。
無意識に幅跳びのようにジャ~ンプしていました。
着地して振り返ると多分後ろを歩いていた自分より若い女性が倒れて頭から血を流していました。
振り返ったまま暫く固まってしまいました。
近くにいた高齢の男性が「すごいね!」と声をかけて来ました。
「大丈夫ですか?」とかじゃなくて「スゴイね!」でした。
大勢人が集まってきて事故車と被害者を囲んでいました。
申し訳ないけど急ぎの用事があったのでそのまま失礼させてもらいました。
何事もなかったかのように電車に乗っていたのを覚えていますが実は命の危機だったと今は思います。
この2度の命の危機について振り返るとちょっと何かが違っていたら三途の川を渡ることになっていたとゾッとします。
- home Home »
- folder 命の危機 »