私は現在45歳の女性です。
私には、一生許せないと、今でも怒りがおさまらない話があります。
それは、私がまだ20代前半の頃のことでした。
当時、大手レンタルビデオ店でアルバイトをしていた私には、片想いをしている男性がいました。
それは、向かいの花屋で働いている男性でした。
出会いは、友人の誕生日に花を購入するために入ったことがキッカケでした。
特にイケメンというわけではなかったのですが、優しそうな話し方に、私は心惹かれるものがありました。
それからというもの、週に1度は花屋に行って、花を購入してたんです。
名札を見て、名前がTさんだとわかっただけでも嬉しくて、私はどんどんその男性が好きになっていきました。
そのことをある日、E子に見破られてしまったのです。
バイト先で知り合ったE子は、20代前半で、私は彼女を妹のように可愛がっていました。
E子は私が奥手で心配だと言って、いろいろとアドバイスをしてくれました。
もっと積極的になった方がいいとか、おしゃれをした方がいいとピアスを貸してくれたりしたのです。
そして、Tさんからデートに誘われたときには、E子と抱き合って喜びました。
E子は今風のメイクをしなくちゃと、かなり時間をかけてメイクまでしてくれたんです。
かなり派手で恥ずかしかったのですが、これが流行っていると言われて私は勇気を出しました。
デートは大成功。
次のデートの約束もできて、私は浮かれていました。
TさんとE子の関係を知るまでは。
花屋へ行くと、E子が店の裏に行くのが見えたので、なんだろうと行くとTさんがいました。
かなり2人は密着していて、鈍い私にも一目でわかりました。
2人がただならぬ仲だということは。
E子が笑いながら言ったんです。
「あのオバさん、バカみたい。私のアドバイスを真に受けちゃって。私のあのメイク、傑作だったでしょう?」
「確かに、面白かったけど。やり過ぎじゃないのか?いろいろ世話になったんだろ?」
「まぁね。お節介なのよ、あの人。頼んでもいないのに、私の仕事手伝ってくれたり、晩ごはん奢ってくれたり。なんか、うざいのよ」
「お前に頼まれたからやってるけど、そろそろやめた方がいいんじゃないか?さすがにやりすぎだぞ」
「なんであんたはそんなに気弱なのよ。もう少し遊ぼーよ。あんたは、人前で思いっきりふってくれればいいんだから」
信じられませんでした。
私のことを慕ってくれていると思っていたE子はどこにもいなかったのです。
何もかもがショックでした。
私のことを陰でオバさんと呼んでいることも、私のことをうざいと思っていたことも。
Tさんまでグルになって私のことを騙していたことも、すべてがショックでした。
私の心の中で、どんどん怒りが膨れ上がってきました。
私に気がついた2人が、ハッと息を呑むのがわかりました。
「2度と顔を見せないで」
それだけ言うのがやっとでした。
それから、E子は1度も出社することなく辞めましたし、そして、私は2度と花屋に行くことはありませんでした。
2人のことは、一生許しません。
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