私が人生で辛かったことはバイト先の先輩に傷つくことをたくさん言われたことです。
就職氷河期に学校を卒業し、正社員の仕事に就けなかった私は事務のバイトを始めました。
恥ずかしながら学生時代にバイトをしてなかった私にとっては、それが初めての働く経験でした。
その事務のバイトには私の他に二人のパートの主婦の人がいました。
一人は私より少し年上で明るく優しい人でしたが、その人よりも経験の長い、いわゆるお局的存在のベテランパートの人がとても陰湿な人でした。
私は引っ込み思案で人見知りで、正直言ってテキパキ仕事のできるタイプの人間ではありません。
お局は、私が期待していたような人物ではなかったことが気に入らなかったのでしょう、次第に私に嫌味を言うようになってきました。
私の誤字を見つけようものなら「そんなこともわからないの?」と言ったり、私の電話応対にも聞き耳を立ててダメ出しをしてきます。
お局はカッとなって大声で怒鳴ったりするタイプではなく、陰気な口調でじわじわネチネチ責めてくるタイプです。
もともとおとなしい性格の私はますます委縮して、職場で明るくふるまうことなんてできませんでした。
お局が陰湿なところは、もう一人の明るいパートさんがいるときはそんなに私を攻撃してこないところです。
私とお局が二人だけになるときを狙って攻撃してくるのです。
明るいパートさんが休みでお局と二人っきりで昼食をとらなければいけない日は耐えられませんでした。
今思い出しても辛い言葉は「笑ったことある?」「○○さんといても楽しくないわ」「そんなんじゃ結婚できないわよ」です。
確かに私は職場では笑わなくなっていましたし、明るい人間ではありません。でも人に面と向かってそんなこというなんて失礼です。
「あなたの前じゃ笑わないだけです」と、言い返せたらどんなによかったでしょう。
一緒にいて楽しくないのは私も一緒なのにどうしてそれが私のせいになるのでしょう。
「そんなんじゃ結婚できないわよ」に対しても「あなたが結婚できたんだから私もできます」って言い返せたら良かったのですが、当時の私にはできませんでした。
「結婚できないわよ」なんて20代の女の子に言っていい言葉じゃありませんよね。セクハラにもなると思います。
いつか結婚して家庭を持つことを夢見ていた私にとっては本当に辛い言葉でした。
そして、そういうひどい言葉をかけられたらちゃんと反論して言い返したり、上司に相談するなどの対応をとれる自分だったらどんなに良かっただろうと思います。
当時の私は何もかも未熟でした。
今は結婚して子供も授かって幸せです。