私が数年前まで勤めていた職場で出会った先輩の話です。
保育園に勤めていたのですが、その先輩は私が就職した頃、一回り上の年齢で、キャリアについてはかなりベテランでした。
初めて出会った時の印象は、容姿がとても綺麗で、スタイルが良くて、はきはきと自分の意見を言うけれど後輩の大変さも理解して、「こんな事がたいへんだよね?私もその年の頃、こんな事に悩んでいた。」等と優しい声掛けをしてくれたり、注意しなくてはいけない点は、はっきりと指摘をしてくれ、その後のフォローもしっかりしてくれたりと、後輩の気持ちを尊重して積極的に気に掛けてくれる尊敬できる先輩でした。
その為、保育園の保護者からも信頼されている様子でした。
何より憧れたのは、仕事だけでなくプライベートの趣味も充実していたとことです。
その当時好きだった韓流アイドルの追っかけに夢中で、休みの日は趣味に全力を注ぐという切り替えの上手さにも、大人の女性らしさを感じていました。
しかし、その人への憧れを抱いたのも最初のうちだけで、すぐにずるい一面が見えるようになりました。
その人は、誰よりも自分が一番でないと気が済まないという体質の人だったのです。
自分が一番仕事が出来る、自分が一番保護者の信頼を得ている、自分が一番可愛いという過剰な自信を持っているようで、一番になるためならどんなずるい事でもしてしまうような人でした。
その上、面倒臭がりな面もあり、人に仕事を押し付ける事もしばしばありました。
先輩なので仕事を押し付けられた後輩たちは従うしかありませんでした。
私の職場では、保育の空き時間に手の空いた職員が、トイレや室内を掃除するというルールがありました。
しかしその先生は、掃除がしたくないために自分の手が空いていても絶対に掃除をせず、誰かが掃除を始めると、終わりごろにやって来て「あ、もうやってくれたんだ。ありがとう。」等と言って、絶対に自分から共有部分の掃除をしないずるい人でした。
それなのに、自分の机や部屋周りは誰よりも綺麗に整えようとする人でした。
それだけならまだしも、自分が不利になると思うと、わざわざ大切な連絡事項を同僚に伝えず、自分の作業が終わりそうな頃になってようやくその要件を伝えるという事までありました。
後輩や同僚が自分より仕事が出来る事が嫌だったようで、陰で、「あの子、こんな事も出来ていなかったよ。」等と直接本人に教えずに陰口をこっそり言い、足を引っ張るような事もありました。
少しずつ周りもその先生のずるい面に気付くようになり、それを聞いた園長先生から直接その先生に指導が入る事がありました。
自分でも周りにそんな風に思われている事に気づいていなかったようで、泣きながら「そんな風に思っていたなら直接言ってほしかった。陰で文句をいうなんてずるい。」と怒っていたそうです。
こちらからしたら、「今まで散々周りの陰口を言ってきたのに。」という心境でした。
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