高校生の頃の話です。
2年生の夏休みに、友達と一緒にキャンプをすることになりました。
昼間は他の友達も交えて、プールで泳ぎまくって、はしゃいだ後でしたがその日の夜に終電でキャンプ場に向かうことになりました。
本当の予定では、次の日の朝に友達の家族の車に乗ってキャンプ場へ向かう予定だったのですが、夏休みと言うこともありテンションが高かった私たちは今から行っても間に合うと言う理由で、夜中にもかかわらずキャンプ場へ向かうことになったのです。
私とその他友達2人、計3人です。
キャンプ場のある最寄り駅までは特に問題もなくスムーズに到着することができました。
駅からは、キャンプ場まで徒歩で行くことになったのですが、私はもちろん他の友達もキャンプ場までの道のりを知りません。
なんとこの計画を企画した友達は、毎年家族の車で来ていたので、駅からの道順なんて知らないというのです。
私はてっきり、この友達が知っているものだと思い込んでいたので、仕方なく適当に歩き始めました。
今だったらスマホで簡単にマップが開けるので、迷うなんて事は無いのですが、その時はガラケーの時代で、今のようにGoogle マップを開いて現在地から目的地までまでの道のりを教えてくれるなんて便利な機能は搭載されていませんでした。
周りにはタクシーもなく、バスだって時間外で、とにかく自分の足だけが頼りという状況になりました。
おそらくこっちだろうと言う曖昧すぎる判断で私たちは歩き始めました。
時刻は夜中1時ごろ。辺りはシンと静まり返っていて、人は誰も歩いていませんでした。
道を聞ける人もいないのでとにかく歩くしかありません。
かなり歩いたのですが、それでもキャンプ場らしき場所までは全くたどり着けず、何日か分の重たい荷物も担いでいたので、かなり疲労が溜まって来て、なにせ、昼間もはしゃいでいたのですから、さすがに若いといっても体力の限界に迫ってきているのを感じます。
しばらく歩いた頃、そろそろ3人の体力が尽きようとしていました。
すると、先のほうにコンビニが一見あるの見つけて、あそこのコンビニで何か飲み物でも買おう、少し休もうと言うことになりました。
それぞれが飲み物や、食べ物を買ってコンビニの外へ出て、おにぎりをかじりながら私は言いました。
「さっきコンビニにいた人に、キャンプ場への道のりを聞けばよかったね」
友達2人は目をまん丸くして固まってしまいました。
「店員さん以外、コンビニには誰も人はいなかった」と二人はいうのです。
私は見てはいけないものを見てしまったのかもしれません。