私の幼少期は辛い体験が多かったのですが、今の自分のベースを作ったのが小学生の時の体験です。
我が家はシングルマザーの母がスナックで働きながら私たちのことを育てていました。スナックなので、男性と親密になることが多かったのですが、そのなかで結婚まで考えているという男性がいました。
母は子供である私たちにもその人を会わせてくれて、旅行などをしたりと本当のお父さんのような存在となっており、とても優しくて色んな所に連れていってくれることが嬉しかったんです。
父とは私が小さい頃に離婚していたので、誰かをお父さんと呼んだことはありません。お父さんという存在を知らないので、お父さんがいなくて寂しいという感覚はありませんでしたが、みんながお父さんがうざいとか話しているのを聞いて、そんな感覚を味わったことがないなと思っていたんです。だから、お父さんが出きるという感覚は、私にとって普通の家庭の子供になれるということだと思ったんです。
学校などでお父さんがいないということを気を遣われることもない、友達とお父さんが面倒だとか言いたいと、普通の家庭になれる憧れは形になろうとしていたんです。
再婚の話しも2人からされて、相手の息子さんにも会いました。離れて暮らしている息子さん夫婦とも旅行などをするようになり、週末になると集まって、お兄ちゃんと呼んでいいよと言われて、お父さんもお兄ちゃんも、それにお姉さんも出来たような幸せ。友達にも、お父さんが出来るんだと嬉しくて話していたんです。運動会などにも来てくれて、早く結婚したらいいのにと母の背中を押していました。
そんなとき、いつも来ていたその男性がぴたっと来なくなったんです。同時に、母のお腹が大きくなっているのに気がつきました。彼との子供が出来たというんです。弟か妹が出きると喜んだものの、父親になる人は来なくなり、なんとなく聞けない雰囲気を子供ながらに悟りました。そして、とうとう出産までしたものの、その男性は行方知れず。お父さんが出きる、普通の家庭の子供になれるという夢はあっさりと崩れ去ったんです。
お母さんは裏切られたんだ、私のことも騙してたんだと辛い気持ちになったのですが、出産した母に祖母が「父親なしの子供なんて産んでみっともない!おろすか捨てろ!」と怒鳴っているのを見たことが、更に辛い体験となりました。普通の家庭じゃない子供はみっともないんだと。
この体験で私は普通の家庭に憧れてはならないんだと思うようになりました。普通を諦めたんです。だから、アラフォーという年齢でようやく結婚することが出来たけど、この普通の夫婦が脆く崩れてしまうのではないかと不安でたまりません。
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