私は子どもの頃はすぐに眠れる子でした。
寝ない子がいる中、どこででもすぐに眠れる子でした。
しかし30歳を前に全く眠れなくなりました。
するとどうでしょう、それまで昼間笑って済ませていたような事がすべて許せなくなりました。
そこで初めて人の悪口を言う人の気持ちが分かるようになり、自らも僻み根性が出てきたのです。
人のすることすべてが羨ましくなり、憎くて仕方がありませんでした。
夜は全く眠れず、意識すれば意識するほど眠れません。
眠りにいいという事は全て手を出しました。
恥ずかしいと思いつつも心療内科で薬を求めに行きました。
それでも思うようには眠れませんでした。
いつも1時間2時間眠ってサービス業をこなし、昼間は倒れそうで顔色もどす黒くなりとても健康そうには見えないけれど手を抜けば上司にいびられ、不眠症を告げるも罵倒しか返ってこず
「本当に寝れてないなら生きていない。死んでから寝れてないと言え。」
という無茶苦茶な理論を言われ、根性論を前面に押し出されそれからは毎日罵倒されていました。
会社を辞めたいと言えばまた罵倒。
ブラック企業は私の不眠症を悪化させるだけでした。
辞めたいのに辞めれない。眠りたいのに眠れない。
せめて布団に入ろうと布団に入っていても、どうしても眠れませんでした。
そんな期間が5年続き、精神的にも肉体的にも限界に来たときに引っ越しをしました。
すると何が良かったのか眠れるようになりました。
それでも不眠症の時よりかは眠れるという事でした。
そのうちにブラック企業も潰れて、やっと私は解放されました。
すると思う存分眠れるようになったのです。
眠ることができれば、前向きに考えられるようになり新しい職場はよく選んで自分の好きなことを好きなだけできる職場です。
昼間は思いっきり働き、夜はぐっすり眠る。
これだけで前向きに、そしてどす黒くなっていた肌も、何をつけても劣化していた肌が蘇ってきたのです。
今でもたまに睡眠薬を貰いに行きますが、あの頃使っていた強い薬とは全く違う軽い薬です。
不眠症になり眠りを意識するようになってからというもの、人生が狂いました。
今でも昔のようにすぐに眠れるあの快感を味わいたい気持ちはありますが、それでも眠れなかった頃の苦労を思い出すと、夜に眠れるだけ幸せだと思います。
不眠症にかかったことのない人は、平気で無神経に傷つけてしまいますがもしあの頃に戻れたなら、私は不眠症の事を誰にも言わず病院に通います。
言ったばかりに精神病扱いされてしまうからです。
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