私が、高校生の時に、かなり最低な先生がいました。どう最低なのかというと、女子生徒を外見で判断しているのです。
私のクラスは、女子のレベルが高くて、モデル並みに可愛い子が数人いました。
その男性教諭は、可愛い子とそうでない子を、あきらかに差別していたのです。
そして、残念ながら私はそうじゃない方の生徒でした。
廊下ですれ違う時に、可愛い子が挨拶をしたら笑顔で返しますが、私が挨拶をしても小さく会釈をするだけ。
教室でも、可愛い子が手を挙げると、すぐに名前を言うのに、可愛くない子が手を挙げていると、可愛い子が挙げるまでスルーするんです。
もちろん、先生にだって好みがあります。
ですが、だからといってあからさまな差別をされると、さすがに腹が立ちます。
そんなあるとき、私と友人のNが居残り授業を受けていたんです。
やっと終わった時には、時刻は5時を回っていて、かなり外は暗くなっていました。
私と友人が帰ろうとしていると、先生が私たちを呼び止めました。
「気を付けて帰れよ。特にN。お前は、可愛いんだから、変な男に声かけられたら逃げろよ」
と、冗談っぽく言ったのです。私は、よせばよかったのですが、ついつい好奇心から、あることを言ったんです。
「先生?私は?」
嘘でもいいから、可愛いって言ってほしかったんです。
ところが、その先生は私の顔をジッと見て、プッと吹き出したんです。
「お前。鏡見たことあるのか?誰がお前なんかに声かけるんだ」
悔しかったです。
私だって、女の子なんです。さすがにこの言葉には傷つきました。
おまけに、この先生の発言でNとも変な空気になってしまったんです。
なんだかギクシャクして、会話も弾みませんでした。
今思い返しても、本当に、最低な先生でした。
それからも、その先生は平気で生徒の容姿を露骨に批判するようになりました。
メイクをしてくる生徒がいたら、「その顔でメイクしてどうする」とか、「時間の無駄」とか言うんです。
さらには堂々とみんなの前で整形した方がいいとか言い出して、かなりその発言はエスカレートしていきました。
さすがに問題になったみたいで、保護者の人からかなりクレームが入ったため、かなりおとなしくはなったんです。
ですが、その先生の最低な発言は、いまだに心のどこかに残っていて、ことあるごとに思い出すのです。
悪気はなかったのだろうと思いたいのですが、いまだに許せない自分がいます。
もう、かれこれ20年以上はたっていると言うのに、その傷は消えることはないのです。