今から約20年前、私が大学生の時、部活に励んでいる最中に、突然腰に力が入らなくなり、砕け散る様に床に転げ落ちました。
夕方だったため、チームメイトがすぐに夜間救急へ車で搬送してくれました。
それは、大切な大会が一週間後に控える大事な時期に起きてしまいました。
私は、歩行できなくなり病院に着くとすぐにMRIなどの検査を受けました。
すぐに入院が決まり、そこから私の車椅子生活がしばらく続きました。
ICUに入り、会話もできない重症な患者さんと数日不安な日を過ごしました。
一人暮らしをしていたので、車で2時間程離れて暮らしていた母が青ざめた顔で病院へ飛んできました。
検査の結果、異常は見当たりませんでしたが、症状は改善せず絶対安静が必要だという事で引き続き入院が続きました。
後で、母から聞いたのですが、一生歩けなくなるかもしれないと医者から説明を受けていたそうで、母の気持ちを思うと申し訳ない気持ちで一杯でした。
ICUに一週間ほどお世話になり、その後一般病棟へと転棟になりました。
一般病棟は四人部屋で、私以外の患者さんは50代から70代くらいの年配の方でした。 いつも私のする事に文句も言わず、温かく見守って下さっていました。
しばらくは絶対安静だったので、排泄もベッド上でしなければならず、とても嫌でした。ベッド上から自分で動く事が出来ないので、する事と言ったらテレビを見る事ぐらいで、運動が好きだった私には辛い一日でした。
そんな中、部活仲間が頻繁にお見舞いにきてくれ、いつも賑やかな雰囲気に包まれ、あまり寂しい想いはしませんでした。
足の爪を切ってくれたり、お湯につけれてくれたり、今でも感謝してもしきれないくらいです。
大会直前に入院してしまった私は、チームメイトにものすごく迷惑をかけてしまったという罪悪感で一杯でした。そして、歩けなくなった情けない自分にベッドの中で何度か涙することもありました。
病棟の看護師さんはいつも忙しそうで、あまりケアが行き届いてなかった様に思います。それは、自分が医療業界に入ってより感じる様になりました。
時には、年配のベテラン看護師さんと思われる人から、きつい一言を言われる事があり、精神的にまいっていた私は、傷ついて泣いていました。弱っている時こそ、温かい対応がどれだけ大切かを知りました。。゚(゚´Д`゚)゚。
入院して1ヶ月経ち、歩行はできませんでしたが、検査に異常はなくリハビリが開始になりました。安静ですっかり筋力が衰えていたので、自分の体力のなさにショックを受けました。
スポーツをバリバリしていた自分が嘘の様でした。リハビリをするだけでぐったり疲れてしまい、先の見えない不安に押し潰されそうでした。
そんな時、同室者の患者さんや部活仲間に大変励まされました。
努力を積み重ね、車椅子から歩行器、最終的には補助なしで歩行が出来るようになりました。そこまでに2ヶ月のリハビリを要しました。
若かったとはいえ、一度落ちてしまった体力を戻すのは並大抵の事ではありませんでしたが、もう一度歩行できる喜びを噛み締めることができました。
長く辛い入院生活でしたが、そこで得た経験が現在の仕事に大きく結びついています。