「春にして君を離れ」は自分を振り返らせる作品

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「春にして君を離れ」は自分を振り返らせる作品

この小説はエルキュール・ポワロやミス・マープル等を生み出したアガサ・クリスティーによる小説です。
イギリスとアメリカで最初に発表された際にはクリスティーのロマンス小説家のペンネームであるメアリ・ウェストマコット名義の作品でした。
ですがこの本はミステリー小説なのです。

最初は、あんまり物語が進展しないなあと思うかもしれません。
しかし、読み進めていくと何かおかしいな?という気持ちが湧いてきます。
気になって読み進めていくと段々足元が揺らいでいく不安感に襲われます。

主人公の印象が最初から180度真逆に変わっていくでしょう。
そして最終的にこの小説はミステリーだったなと納得します。
そんな不思議なこの小説を紹介していきましょう。

話は主人公の主婦であるジョーン・スカダモアが末の娘の急病の見舞いにバグダッドに行った帰りに鉄道宿泊所で鉄道が動かなくなった事で足止めを食らう所から始まります。

彼女の人生は弁護士の夫を持ち、3人の子供を育てきった満ち足りていたものでした。
足止めは長引き、暇つぶしの手段も全てやってしまった彼女は自分の今までの家族との暮らしを回想します。

色々困難もあったけど、あらかた上手くいったと思っていた今までの人生。
しかし、回想の中で、そういえば…と忘れていた不可解な出来事を思い出していきます。

見どころは、この変哲もない私達がベッドに入って寝る前にやるような彼女が行った行為が実は謎を多く孕んでいたということです。
あの時はこうで楽しかったな…、あの時はこうで大変だったけどなんとかやったな…。
でも、あの時にあの人がやっていた行動は何だったんだろう?

それを考える時間が十分過ぎるほどあるために、主人公はそれを深く考察してしまいます。
そして他の色々な思い出と謎を結び着けていく事で、自分が上手くいったと思っていた人生は全くその様相を変えていきます。
その時に恐怖を感じると同時にアガサ・クリスティーの手腕に感嘆してしまうのです。

最初読んだときは怖い…と思ってしまいました。
例えば主婦である自分が夫と子供達といた時に自分はこう考えていたけども、夫や子供は全く別な事を思っていたのではないか?
友人達も同じだったのではないか?

自分がこれまでにやってきた事で上手くいったと思っていたことは本当にそうだったのか?
こんな不安感に襲われたからです。

ですが、それと同時にクリスティーの罠にまんまと引っかかったというミステリー独自の快感を得ました。
私の今までの人生は絶対に間違いない!そう思ってる方にこそお勧めしたいです。

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春にして君を離れ (クリスティー文庫)

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