2度の流産を超えて授かった赤ちゃん

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2度の流産を超えて授かった赤ちゃん

私は現在40代後半ですが、私の若い頃はまだ現在のように不妊治療が確立されていませんでした。

子供ができないと産婦人科に相談に行き、排卵期に性行為をするよう指導されるタイミング療法が主流でした。

私は毎日基礎体温をつけながら排卵日を待ちました。しかし、排卵日を表す体温低下が見られなかったのです。

もう少し期間を延ばしてみようと言われ、基礎体温を3ヶ月ほどつけていると、初めて体温低下が見られました。

医師が言うには、私は無排卵月経が多いらしく、いわゆる「不妊症」でした。

それでも何ヶ月に1回は排卵があるので、それに賭けましょうと言われました。

私も希望を持っていました。

そして、その日から基礎体温をつけ始めて、排卵を表す体温低下が見られた日は夫と性行為をして翌日病院に行き、念のためにと排卵を促す注射を腰に打たれました。

とても痛かったですが子供ができるならと耐えました。しかし、それから数日後にいつも通り月経がきてしまいました。

ダメだったと思いましたが、いつもとは違う生理痛。病院で調べてもらうと、それは月経ではなく流産でした。

ショックでしたが、まだ妊娠して日も浅かったこともあり、まだ次に賭ける気力はありました。なにより妊娠ができたことに安心していたのです。

それから半年ほどして、ようやく待ちに待った排卵がきました。そして妊娠。

今度こそと思って安静にしていましたが、2ヶ月目の検診の時に体の中で子供が亡くなっていることがわかり、その時は腰が抜けて立ち上がることができませんでした。

ただ頭が真っ白で、処置をされる間も涙も出ませんでした。気持ちが麻痺していたのだと思います。

それからしばらくは基礎体温をつけることもなく、不妊治療は休止しました。家事も何もする気力がなくなってしまったのです。

夫も私を気遣って「2人で仲良く生活できればいい」と言ってくれました。でも、その言葉も悲しかったのです。

1年程した頃、学生時代の友達から電話がありました。その友達も結婚後、なかなか子供ができなくて悩んでいたそうなのです。

その友達から不妊治療専門の病院があると教えられて、初めてそこへ行きました。

待合室は女性がいっぱいでした。みんな子供ができずに困っている人達でした。こんなに不妊に悩んでいる人がいるんだと思いました。

やがて私の順番になって医師に相談すると「排卵期に妊娠できるなら不妊症じゃありませんよ」と言ってくれたので、その言葉で私は救われた気持ちになりました。

まずは妊娠しましょうということで、基礎体温をつけ始めました。

でも、今までと違うのは、夫の精子の元気のいいものを選別したいので人工授精をしましょうということでした。

夫は嫌がるだろうなと思っていましたが、意外にも快諾してくれました。

基礎体温をつけて排卵日がきたことがわかると、夫の精子を持って病院に行きました。

それからしばらく待ってから呼ばれて、注射器のようなもので夫の精子を子宮に注入されました。

それから排卵を促す注射をされたのは以前と同じ。それから子宮口を縛られ、近くの産婦人科宛に紹介状を書いてくれました。

その紹介状には安定期に入るまでの入院を指示する内容が書かれていました。

その日から半年間病院に入院し、安定期に入ると退院できました。子供は順調に育って行き、そして無事出産に至りました。

初めて赤ちゃんを抱いた時は、恥ずかしながら嗚咽をもらして泣きました。やっと赤ちゃんを抱けた喜びで胸がいっぱいになりました。

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